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カルマパ 熱烈な歓迎を受けレーに到着

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2001年9月2日
レー

亡命中のチベットの精神的指導者ダライ・ラマと中国政府の双方 から承認された唯一の高僧、カルマパ・ラマ17世こと、ウゲン・ティンレー・ドルジェは今月2日、ジャンムー・カシミール州北部 のレーに到着し、熱烈な歓迎を受けた。

レーは、国境紛争が続くラダック地方の仏教徒が占める主要都市である。

カルマパ17世を乗せた車が通過する大通りには、彼を一目見ようと、多くの仏教徒や地域住民が列をつくった。

この若き僧侶が、ヒマーチャル・プラデシュ州北部の小さな町ダラムサラ以外の地域を訪れるのは、インド政府による難民認定後今回で2度目である。前回は、今年始め、ビハール州東部の様々な仏教聖地とニューデリーを訪問 した。

カルマパ17世は10日間の滞在期間中に、この地域の各仏教僧院を訪れ、法話を行う。

「この訪問はラダックの住民や仏教僧達にとって、歴史に残る出来事であるといえます。我々は、彼の訪問を首を長くして待ち望んでいたのですから。我々はカルマパ・ラマの訪問が実現して大変幸せに思っています。皆、カルマパ・ラマ会うためにレーにやって来ます」と、ラダック仏教協会の一員ツェリン・サンペル氏は語った。

カルマパ・ラマが、1400キロにおよぶ雪のヒマラヤ山脈越えを敢行し、ダラムサラに到着したのは、昨年1月のことである。

カルマ・カギュ派の最高位にある若きラマは、中国国境に接したヒマラヤ山脈東部の州シッキムにあるルムテック僧院に本拠を置いている。

カルマパは今年2月、インド政府によって正式に亡命を認められた。

チベットの中国に対する流血蜂起が不成功に終わった1959年、インドに亡命したダライ・ラマ14世の記憶を彷彿とさせるこのラマの活動を制限することを、インド政府は中国政府から圧力を掛けられていると広く信じられている。

また、事実上中国の占領下にある境界地帯(LAC)では、カルマパの入域は許可されていない。

中国軍侵攻により、仏教による神権政治が破壊された9年後の1959年、ダライ・ラマはインドに亡命し、何千人ものチベット人が後に続いた。